看護師の資格や経験を活かした副業は、収入アップだけでなく、新しいスキルや知識を得るチャンスにもなります。夜勤やシフト制で働く看護師にとって、副業は空いた時間を有効活用できる点が大きな魅力です。医療現場だけでなく、在宅ワークやオンラインの仕事など、働き方の幅も広がっています。

副業の可否と注意点

看護師として副業を始める前に、まず最初に確認すべきは「自分の職場で副業が認められているかどうか」です。副業は収入アップやスキルアップのチャンスですが、勤務先の規則や法律に違反してしまうと、思わぬトラブルや処分のリスクもあります。ここでは、看護師が副業を始める際に押さえておきたい基本的な注意点やポイント、そして副業に向いている看護師の特徴について詳しく解説します。

◇勤務先の就業規則を必ず確認

看護師の副業可否は、勤務先の形態や就業規則によって大きく異なります。公立病院や保健所などの公的機関に勤務している場合、国家公務員法や地方公務員法により原則として副業が禁止されています。違反した場合は懲戒処分の対象となることもあるため、絶対に注意が必要です。一方、民間病院やクリニックの場合は、各施設の就業規則によって副業の可否が決まります。副業が認められている職場も増えてきていますが、必ず事前に規則を確認し、必要に応じて上司や人事部門に相談しましょう。

また、就業規則で副業が禁止されている場合は、無理に副業を始めるのではなく、副業OKの職場へ転職するという選択肢もあります。厚生労働省も副業を推進する方向性を示しており、今後はより柔軟な働き方が広がる可能性があります。

◇副業を選ぶ際のポイント

副業を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。

・本業に支障が出ないことが最優先

看護師の仕事は責任が重く、患者の命を預かる立場です。副業による疲労やストレスが本業に悪影響を及ぼさないよう、無理のない範囲で働くことが大切です。特に夜勤明けや連勤後の副業は体調を崩しやすいため、十分な休息を確保しましょう。

・専門知識や資格を活かせる仕事を選ぶ

看護師資格や医療現場で培ったスキルは、他の職種と比べて高い専門性があります。医療系の副業や健康相談、記事監修など、専門性を活かせる仕事は時給や単価も高く、やりがいも感じやすいです。

・副業の目的を明確にする

収入アップ、スキルアップ、気分転換など、副業を始める目的を整理しておくことで、自分に合った仕事を選びやすくなります。目的が曖昧だと、時間や労力を無駄にしてしまうこともあるので注意しましょう。

・確定申告や社会保険の手続きに注意

副業で年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。また、収入が増えることで社会保険の扶養から外れる場合もあるため、事前に税金や保険の仕組みを理解しておきましょう。

・違法性や信頼性の低い仕事は避ける

報酬が異常に高い案件や、業務内容が不明瞭な仕事には注意が必要です。医療倫理や法律に違反する可能性のある副業は絶対に避けましょう。

◇副業が向いている看護師の特徴

副業に向いている看護師には、いくつかの共通した特徴があります。

・スケジュール管理が得意な人

本業と副業を両立するには、時間の使い方が非常に重要です。シフト制の勤務や不規則な生活リズムの中でも、計画的にスケジュールを組める人は副業でも成功しやすい傾向があります。

・新しいことにチャレンジしたい意欲がある人

副業は新しい分野や働き方に挑戦するチャンスでもあります。自分の可能性を広げたい、スキルアップしたいという前向きな気持ちがある人は、副業を通じて大きな成長を実感できるでしょう。

・コミュニケーション力や専門知識を活かしたい人

看護師として培ったコミュニケーション能力や医療知識は、多くの副業で強みとなります。人と接することが好きな人や、専門性を活かしたい人には特におすすめです。

・収入や働き方に満足していない人

現在の収入に不満がある、もっと余裕が欲しいという人は、副業を通じて生活の質を向上させることができます。

看護師資格を活かせるおすすめ副業

看護師資格を活かせる副業は多岐にわたります。ここでは、医療機関や介護施設でのバイト、イベント・ツアーナース、訪問看護・訪問入浴など、現場経験や専門知識を活かせる代表的な副業を紹介します。

◇医療機関・介護施設でのバイト

医療機関や介護施設でのアルバイトは、看護師の専門性をそのまま活かせる副業の代表格です。夜勤バイトは特に高収入が期待でき、週1回の勤務でも月10万円以上稼げるケースもあります。夜勤専従看護師の求人は多く、1勤務で4万円近く稼げることもありますが、生活リズムの乱れや体調管理には十分注意が必要です。

検診バイトは、健康診断や企業検診のサポート業務が中心で、短時間・短期間で働けるのが特徴です。時給は1,500円～2,000円程度と高めで、精神的な負担も少ないため、気軽に始めやすい副業です。

介護施設での看護師バイトは、入居者の健康管理や医療処置が主な業務です。日勤が中心で、比較的安定した勤務形態が多いのも魅力です。夜勤専従の求人もあり、身体的負担を考慮しながら働くことができます。

◇イベント・ツアーナース

イベント・ツアーナースは、スポーツ大会やコンサート、修学旅行などのイベントに同行し、参加者の健康管理や急患対応を行う仕事です。単発案件が多く、スケジュール調整がしやすいのが特徴です。時給は1,700円～2,200円程度と高単価で、普段と違う環境で経験を積める点も魅力です。

急患がなければ業務自体が発生しないこともあり、イベントやツアーを楽しみながら働けるのも人気の理由です。看護師専門の求人サイトなどで情報をチェックしておくと、好条件の案件に出会いやすくなります。

◇訪問看護・訪問入浴

訪問看護や訪問入浴は、利用者の自宅や施設を訪問して看護ケアを提供する仕事です。シフトの自由度が高く、短時間勤務やスポット勤務も可能なため、本業の合間や空き時間を有効活用できます。時給は1,300円～2,000円程度が相場で、経験やスキルによっては1回の訪問で1万円以上の報酬を得られることもあります。

訪問看護は在宅医療のスキルアップにもつながり、今後ますます需要が高まる分野です。未経験でも研修制度が整っている事業所が多いので、安心してチャレンジできます。

在宅でできる！看護師に人気の副業

近年、在宅でできる副業の選択肢が大きく広がっています。看護師の専門知識や経験を活かしながら、自宅で無理なく働ける仕事も増加中です。ここでは、医療系ライター・記事監修、オンライン健康相談・コールセンター、その他の在宅ワークについて紹介します。

◇医療系ライター・記事監修

医療系ライターや記事監修は、看護師の知識や経験を活かして医療・健康に関する記事を執筆・監修する仕事です。医療系メディアやヘルスケア関連企業では、専門知識を持つライターの需要が高まっています。1記事あたり5,000円～3万円程度の報酬が得られることもあり、在宅で好きな時間に作業できるのが大きな魅力です。

文章を書くのが好きな方や、情報発信に興味がある方におすすめです。クラウドソーシングサイトを活用すれば、未経験からでも始めやすい副業です。

◇オンライン健康相談・コールセンター

オンライン健康相談や医療系コールセンターの仕事は、スマートフォンやパソコンを使って自宅から健康相談や医療相談に対応する業務です。時給は1,800円～3,000円程度と高めで、シフト制やスポット勤務が多いため、本業の合間や夜間・週末の空き時間を有効活用できます。

医療知識と患者対応スキルを活かせるため、看護師としての経験がそのまま役立ちます。身体的な負担が少なく、長く続けやすい副業です。

◇その他の在宅ワーク

看護師資格を活かした在宅ワークには、医療データのリサーチ協力やオンライン講座の講師、Webデザイナーなどもあります。医療データアナリストやアプリ開発コンサルタントなど、デジタルスキルと組み合わせることで、さらに高収入やキャリアアップを目指すことも可能です。

また、家事や育児と両立しやすい点も在宅ワークの大きなメリットです。自分のライフスタイルや目的に合わせて、無理なく続けられる副業を選びましょう。

看護師の副業は、収入アップだけでなく、スキルアップやキャリアの幅を広げる絶好のチャンスです。まずは勤務先の規則をしっかり確認し、自分に合った副業を無理なく始めてみるとよいでしょう。

まとめ

看護師の副業は、勤務先が民間か公立かによって可否が大きく異なります。

公立病院や保健所などの公的機関では、国家公務員法や地方公務員法により原則副業が禁止されており、違反すると懲戒処分の対象となることがあります。一方、民間病院やクリニックでは就業規則によって副業の可否が決まるため、必ず事前に規則を確認し、必要に応じて上司や人事部門に相談することが重要です。

副業を選ぶ際は、本業に支障が出ないことや、看護師資格や専門知識を活かせる仕事を選ぶことがポイントです。また、収入アップやスキルアップなど副業を始める目的を明確にし、確定申告や社会保険の手続きにも注意が必要です。報酬が異常に高い案件や信頼性の低い仕事は避けるべきです。

副業に向いている看護師は、スケジュール管理が得意で新しいことにチャレンジしたい意欲があり、コミュニケーション力や専門知識を活かしたい人です。現在の収入や働き方に満足していない場合も、副業を通じて生活の質を向上させることができます。