ウェブ制作で成果を出すために欠かせないのが「SEO対策（検索エンジン最適化）」です。どれだけデザインが優れたサイトを作っても、検索結果に表示されなければ、ユーザーには届きません。

本記事では、発注者が理解しておくべきSEOの基礎知識と、制作・運用における実践ポイントを3つの章に分けて分かりやすく解説します。発注の前にぜひ確認しておきたい、成果につながるSEOの考え方と進め方をご紹介します。

 

SEO対策の基本を理解する

まずはSEO対策の全体像と基本的な要素を理解することが大切です。本章では、検索エンジン最適化の意味と目的、そしてウェブ制作において発注者が押さえておくべき基礎的な施策について解説します。

 

SEO対策とは何か

SEO対策とは、「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。これは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで自社のウェブサイトが上位に表示されるように施策を行うことを意味します。

SEO対策の重要性は、ユーザーの多くが検索を通じて情報を得ているという事実にあります。自然検索からのアクセスを安定的に確保できれば、広告費を抑えつつ、継続的な成果を生むことが可能になります。

 

SEO対策の基本的な施策

SEOにはさまざまな要素がありますが、まずは以下の基本施策を押さえましょう。

 

キーワード選定：ターゲットが実際に検索するキーワードを把握し、サイト構成や記事に盛り込むこと

 

タイトル・見出しタグの最適化：検索エンジンが理解しやすいよう、構造を整えること

 

コンテンツの質と量：ユーザーの課題を解決する内容であること

 

内部リンクの設計：関連するページ同士を適切につなげ、巡回性を高めること

 

モバイル対応：スマホ表示の最適化は、現在のSEOでは必須条件です

 

ページ速度の改善：読み込みが遅いと離脱率が上がり、評価が下がります

 

これらは制作時から意識して組み込む必要があります。

 

SEO対策の目的と成果

SEO対策の最終的な目的は「成果を上げること」です。成果とは、アクセス数の増加だけでなく、問い合わせ・申し込み・購入といったビジネス上のゴールにつながるアクションを指します。単にアクセス数が増えただけでは不十分です。ターゲットとなるユーザーに適切な情報を届け、ニーズに応えることで、信頼を得てコンバージョンへと導くことが求められます。

 

発注者が押さえるべきSEO対策のポイント

制作会社にウェブサイトを発注する際、SEOの観点から事前に準備・共有しておくべき情報があります。本章では、発注者として押さえておきたい実務的なSEO施策と、その指示・共有のポイントを紹介します。

 

ターゲットに合わせたキーワード選定

検索エンジンはユーザーの「検索意図」をもとに検索結果を表示します。そのため、ユーザーがどんな悩みを持ち、どんな言葉で検索するかを分析し、キーワードを選定することが重要です。

キーワードは、ページタイトル・見出し（h1〜h3タグ）・本文に自然な形で散りばめましょう。ただし、不自然に詰め込むと評価が下がる恐れがあるため、文章の流れを重視することがポイントです。発注時には「狙いたいキーワード」「想定する検索ニーズ」「除外したいキーワード」などを文書で制作会社に伝えると、意図を正確に反映したコンテンツ制作が可能になります。

 

コンテンツと情報設計の基本

検索順位が高いページには、ユーザーが本当に求めている情報が丁寧に盛り込まれています。そのためには、競合サイトの調査を行い、情報の「抜け漏れ」や「構成の工夫」を意識することが重要です。

Googleは近年、E-E-A-T（経験・専門性・権威性・信頼性）を評価基準としています。単なるまとめ記事ではなく、自社の経験や顧客事例を取り入れることで、独自性と信頼性を担保することができます。また、ページの構成も成果に大きく影響します。情報が適切に分類されているか、CTA（資料請求やお問い合わせ）の導線が明確になっているかどうかも重要なポイントです。

ユーザーの検索意図を満たすには、ページごとの目的を明確にし、それに応じた情報設計を行うことが求められます。たとえば、トップページでは企業の信頼感を伝え、サービスページでは課題と解決策を示し、ブログでは検索流入を促すといったように、ページごとにコンテンツの役割と狙いを整理して設計することで、ユーザー体験とSEO評価の双方を向上させることができます。

 

内部・外部SEO対策の基本

内部SEOとは、サイト内部の構造やコンテンツ、リンク設計を最適化する施策を指します。内部リンクの貼り方、メタ情報（titleやdescription）の記述、alt属性の活用などが該当します。外部SEOは、他の信頼あるサイトからリンク（被リンク）を得ることです。

良質なコンテンツを発信し続けることで、SNSやメディアなどで自然とシェアされ、外部評価が高まることが理想的です。発注者としては、制作会社に対して「内部構造をSEOに配慮して設計してほしい」「更新しやすいCMSを導入したい」などの要望を事前に伝えることが成果につながります。

 

成果を出すためのSEO運用と改善

SEOは一度施策を行ったら終わりではありません。検索エンジンの仕様やユーザーのニーズは常に変化しており、成果を維持・向上させるには定期的な運用と改善が不可欠です。本章では、SEO運用における実践ポイントを解説します。

 

成果指標の設定と効果測定

まず、SEOの成果を評価するためには明確なKPI（重要業績評価指標）の設定が必要です。たとえば以下のような指標を設定します。

 

月間の自然検索流入数

 

特定キーワードの検索順位

 

お問い合わせ数・CV率

 

平均滞在時間・直帰率

 

これらをGoogleアナリティクスやSearch Consoleなどのツールを使って定期的にモニタリングし、状況を数値で把握することが改善の起点となります。

 

定期的なコンテンツ更新と改善

SEOでは「更新頻度」も評価対象になります。1度作ったページを放置せず、定期的に情報を見直し、古くなった情報や表現を更新することで、検索エンジンからの評価が維持されます。

また、検索キーワードのトレンドも変化するため、狙うキーワードの入れ替えや追加も効果的です。競合よりも詳しく、分かりやすく、信頼される内容を追求することが、上位表示と成果につながります。

 

発注者が意識すべきポイント

SEO施策は制作会社だけに任せるものではなく、発注者側の理解と協力も成果を左右します。目的を明確にし、必要な情報を共有し、数値に基づいて改善の方向性を判断する体制づくりが理想です。「作って終わり」ではなく「育て続けるサイト」を目指すことが、長期的に成果を出し続ける秘訣となります。

 

まとめ

SEO対策は、成果を出すウェブサイトを作るうえで欠かせない要素です。まずは発注者自身が、SEOの基本的な仕組みや目的、評価基準を理解することが、的確な発注と質の高い成果物につながります。キーワード選定や情報設計、内部・外部対策など、あらゆる段階においてターゲットユーザーを意識し続けることが成果への近道です。

制作段階だけでなく、運用・改善フェーズでも数値に基づいた分析と更新を継続することで、検索結果の上位に表示され、より多くのユーザーにリーチできます。SEO対策は一度で完結するものではなく、長期的に取り組むべき戦略です。本記事でご紹介したポイントを参考に、自社のSEO戦略をより効果的に進めていきましょう。