主婦がフリーランスで起業するには?確定申告の基本と注意点をわかりやすく解説

主婦がフリーランスで起業するには?確定申告の基本と注意点をわかりやすく解説

Message box 公開日:2025.07.25 更新日:2025.07.22

在宅で働くスタイルが広まるなか、主婦としてフリーランス起業を目指す人が増えています。しかし、「収入が少ないから確定申告はいらないのでは?」と不安や疑問を感じている方も少なくありません。フリーランスとして収入を得る以上、確定申告のルールを正しく理解することが欠かせません。

こちらでは、主婦がフリーランスとして起業する際に押さえておきたい確定申告の基本と、申告義務の有無、注意点についてわかりやすく解説します。

そもそも主婦でも確定申告が必要?

家事や育児と両立しながら、在宅でフリーランスとして働く主婦が増えています。しかし、収入が発生する以上、確定申告の有無を無視することはできません。こちらでは、主婦がフリーランスとして活動する場合に確定申告が必要となるケースと、その理由、注意すべきリスクについて解説します。

扶養内の収入でもフリーランスは申告義務あり?

主婦の中には「扶養内で収めていれば確定申告は不要」と考えている人も少なくありません。しかし、フリーランスの場合は収入形態がパートやアルバイトとは異なります。給与所得ではなく「事業所得」や「雑所得」として扱われるため、たとえ収入が少なくても、扶養の範囲内に収まっていたとしても、申告が必要になることがあります。

特に、クライアントから支払調書を受け取っていない場合などは、所得の申告を自分で行う責任があるため注意が必要です。

どんな場合に申告が必要か、主なポイント

確定申告が必要かどうかは「年間所得」によって判断されます。ここでいう所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額のことを指します。主婦の場合、基礎控除額である48万円を超える所得があると、原則として確定申告が必要になります。

たとえば年間の収入が100万円で経費が60万円だった場合、所得は40万円となるため申告不要ですが、収入が110万円で経費が60万円なら所得が50万円となり、確定申告の対象となります。フリーランスでの収入が少額でも、経費の計上によって所得の扱いが変わるため、正確な計算が求められます。

申告しないとどうなる?ペナルティのリスク

「収入が少ないから」「手続きが面倒だから」と申告を怠ると、後に重大なトラブルにつながる可能性があります。税務署に申告漏れが発覚した場合、本来納めるべき税額に加えて延滞税や加算税などの追徴課税が課されることがあります。特に数年間にわたって申告していない場合、税額が膨らみ一括での納付が困難になるケースもあります。

また、無申告が原因で配偶者の扶養から外れたり、将来的な社会保障や融資審査に影響が出たりすることもあるため注意が必要です。確定申告は収入の大小に関わらず、フリーランスとしての基本的な責任のひとつです。事前に必要な情報を整理し、早めに準備を始めておくことが安心と信頼につながります。

フリーランスとしての収入の考え方

主婦がフリーランスとして働き始めたとき、まず知っておきたいのが「収入の取り扱い方」です。収入が発生すれば、それは税務上の取り扱いが必要になり、確定申告の対象となる場合があります。こちらでは、仕事の受注がどのように分類されるのか、副業収入の注意点、経費計上による節税についてわかりやすく説明します。

仕事の受注=事業所得として計上

フリーランスとしてクライアントから報酬を受け取った場合、その収入は「事業所得」として税務処理されます。これは会社員のような給与所得とは異なり、自分の事業活動に基づく利益と見なされるため、確定申告の際には収入だけでなく必要経費も含めた帳簿を作成し、税務署に報告する必要があります。

たとえばライティングの仕事で受け取った報酬が10万円なら、それはすべて「事業所得」として取り扱われることになります。小さな金額でも継続的に仕事を受けていれば、申告義務が発生することがあるため注意が必要です。

副業の場合でも申告忘れ注意

「主婦の副業だから」「年間数万円だから」と油断していると、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。確定申告が不要とされるのは、年間の所得(収入から経費を引いた額)が20万円以下の場合です。ただしこれは「給与所得がある人」の特例であり、専業主婦など給与収入のない人にはこの条件は当てはまりません。

そのため、たとえ副業感覚で始めた仕事でも、事業所得として20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。意外と忘れがちなルールのひとつであり、毎年の収入を把握しておくことが重要です。

経費を計上しよう!節税の基本

フリーランスとして収入を得る際、必ず意識したいのが「経費の計上」です。たとえば仕事に使ったパソコン代、通信費、文房具、資料代、セミナー費用など、業務に必要と判断される支出は経費として認められる場合があります。これらを収入から差し引いて所得を算出することで、課税対象となる金額が下がり、納税額を抑えることができます。

経費の領収書や明細はきちんと保管し、必要に応じて会計ソフトなども活用しながら正確な記録をつけておくことが大切です。税務調査の対象になった際にも、正しい経費管理は自身を守る証拠になります。節税対策としてだけでなく、事業としての信頼性を高めるためにも、経費の管理は早い段階から徹底することが求められます。

起業する前に確認!確定申告の基本ステップ

起業を目指す主婦にとって、収入の確保だけでなく確定申告の対応も大切な課題です。フリーランスとして活動するなら、税務上の手続きも責任を持って行う必要があります。収入が少額であっても、帳簿の管理や書類の準備を怠ると、後々トラブルに発展する可能性があります。こちらでは、確定申告をスムーズに行うための基本ステップについてわかりやすく解説します。

まずは帳簿・領収書を整理する

確定申告の準備は、日々の記録から始まります。フリーランスとして報酬を受け取ったら、その都度収支を帳簿に記載しておくことが重要です。専用の会計ソフトを利用すれば、経費の分類や集計も簡単に行えます。また、経費の証明として必要となる領収書やレシートは、月別や用途別に分けてファイリングしておくと便利です。

保存期間は原則として5年とされており、税務署から提出を求められた際にすぐ提示できるように準備しておきましょう。帳簿の整備がされていないと、青色申告の特典を受けることも難しくなります。

必要書類と提出方法を把握する

確定申告では、どの書類を準備し、どのように提出するかを正しく理解しておくことが欠かせません。主な提出書類には「確定申告書B」「青色申告決算書」または「収支内訳書」があります。

青色申告の場合は、複式簿記での帳簿付けと申告書の作成が必要ですが、最大65万円の控除を受けられるなどのメリットがあります。なお、青色申告特別控除65万円を受けるには、e-Taxによる申告または電子帳簿保存が必要です。紙提出などの場合は控除額が55万円となるため注意が必要です。

提出方法としては、税務署への直接提出のほか、郵送やe-Taxによる電子申告も可能です。e-Taxは国税庁のシステムを通じて申告できるため、感染症対策や移動の手間を避けたい人にも適しています。提出方法や必要書類は毎年微細に変更される可能性があるため、最新情報を税務署や国税庁の公式サイトで確認しておくと安心です。

提出期限と注意点をチェック

確定申告の提出期限は、原則として翌年の3月15日までとされています。この期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課せられる可能性があるため、早めの準備が求められます。年明けから3月初旬にかけては、確定申告に関する相談窓口も混雑する傾向がありますので、可能であれば1月中に帳簿の整理と書類の準備を済ませておくのが理想です。

また、扶養範囲内で働く場合でも、収入や経費のバランスによっては申告が必要になるケースもあるため、自身の収入状況をきちんと把握しておくことが大切です。初めて確定申告に挑戦する方は、市区町村の無料相談会や税理士のアドバイスを活用すると不安を解消しやすくなります。起業に伴い責任が増える一方で、正しい知識と準備があればスムーズな税務処理が可能です。

まとめ

主婦がフリーランスとして起業する場合でも、一定以上の所得があると確定申告が必要になります。収入が少額であっても、経費や扶養の条件によっては申告が求められることがあり、知らずに放置するとペナルティが発生するリスクもあります。

帳簿の管理や必要書類の準備など、確定申告の基本ステップを早めに理解しておくことで、トラブルを防ぎ安心して事業に取り組めます。起業を成功させるためにも、税務知識をしっかり身につけ、正しい手続きと準備を心がけていきましょう。